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ここ数年、形の重要さをなんとなく認識してきたとこにこの動画。

この演武はまさに「心・技・体」を具現化しているといえるでしょう。

ジャパニーズバーテンディングの一つの特徴として、所作の美しさがあると思います。それは、茶道であったりこういった武道であったり、はたまた日本舞踊なんかからもきてるとおもうんですよね。

我々も常に美しい動きを心がけているわけで、彼女の頭の天辺からつま先まで無駄のない美しい動き。動作の冴えであるとか、切れ、気合、間合い、静と動のメリハリ、目線、非常に参考になりますね。



自分なんかもこう見えて、カウンターの下の足の運びや、指先は小指側から開くのか?人差し指からひらくのか?、バックバーのボトルを取るとき、どうすれば美しい後姿を見せれるか、なんかをいろいろ考えてたりするわけです。まあ、感動を呼ぶような所作には程遠いですが、、、。

それにしても、この演武はホント見入ってしまいます。
カクテルには、それぞれが持つ美味しさの「ポイント」がある、と自分は思っています。

マティーニにはマティーニの、サイドカーにはサイドカーの。これはバーテンダーによる材料の割合がどうこうとか、シェイクのやり方がどうこうとかとは少し違う話で、レシピの構成の話です。

誰々さんがつくるギムレットはホント美味しいよね、ではなくて、もっと大きな囲いでの意味で、「ギムレット(ってカクテルは)ってホント美味しいカクテルだよね。」ってことです。

さすがに色々と飲んできてますので、大概のカクテルの美味しさのポイントはわかってるつもりです。何でも飲みぃなんで、イエローパロット(例えばね)なんかも素直に美味しい~!と思うわけです。

ところが、実はいまだにそのポイントが分からないカクテルがいくつかありましてですね。

その一つが「Vesper / ヴェスパー」。そう007 ボンドマティーニです。



一般的なレシピは、ゴードン、スミノフ、リレ・ブラン(現在入手不可能なキナ・リレの代替品として)、それにレモンピール。この四つの材料から構成されています。そして、技法はシェイク。

どんなに割合を調整しても、「ヴェスパーって美味しい~!」ってならないんですよ。

もちろんステアでなくシェイク。ここは外せないですし、ゴードン、スミノフ、レモンピールも外せない。となると怪しいのはリレ・ブラン。

おそらく現在世界中の9割以上のバーテンダーがヴェスパーにリレ・ブランを使っているのではないでしょうか。

「リレ・ブラン / Lillet Blanc」
1887年ボルドーで生まれた「リレ・ブラン」は、フランスの3ツ星レストランを含め、世界中で楽しまれているボルドー白ワイン(セミヨン種)をベースにフルーツリキュールをブレンドしたほんのり甘口のアペリティフワイン。


「キナ・リレ / Kina Lillet」
ボルドー・ワインをベースに、キナ(劇薬に相当する苦味成分英語表記でKINAキナ、フランス表記でquinquinaカンキナ)を加えて造られたアペリティフ・ワイン。いわゆるリレ・ブランの前身。日本には正式輸入されること無く、幻のまま1985年に生産が打ち切り。


でも、そもそもキナ・リレが今日入手不可能なので代替品としてリレ・ブランっておかしな話ですよね。だって肝のキナが入ってないんだもん。キナ・リキュールってどちらかというと苦ッ!系の味のはずだけど、リレ・ブランは甘くフルーティ。

ここで、最近(遅いか、、、)発見したナイスなヴェルモット、

「マンチーノ・ビアンコ・アンブラート / Mancino Bianco Ambrato」。

これね、キナが入ってるんですよ。リレ・ブランよりはキナ・リレに近い味わいを持つ一品といっても過言ではないでしょう。(つか、キナ・リレ飲んだことないですけど。)リレ・ブランのフルーティーさはそのままに(もっとフルーティーかも)、キナの風味がいい感じで効いてる感じ。

早速、これでヴェスパーを作ってみましたよ。



これね、ステアだとマズイです。シェイクでしっかりとマンチーノの甘みとキナをジンとウォッカに混ぜ込むことが重要です。

ちなみに糖度は、

リレ・ブラン - 16.3°Bx

マンチーノ・ビアンコ - 25.4°Bx

つまり甘さの腰も強いわけです。(だからステアじゃなくてシェイクね。)

(おそらく、キナ・リレはもっともっとキナの風味が強かったのではないか、と予想されます。そうなると、海外のユルユルの氷でシェイクしても、そこそこちょうどいい感じの仕上がりになっていたのではないでしょうか?)

そして、すこーし甘重たい風味を大き目のレモンピールで爽やかに風味付け。

完成!これでストーリがつながりました。

美味しい!

ん~カクテルは本当に奥が深い、、、。そして、改めてヴェスパー、是非お試しください。

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