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カクテルには、それぞれが持つ美味しさの「ポイント」がある、と自分は思っています。

マティーニにはマティーニの、サイドカーにはサイドカーの。これはバーテンダーによる材料の割合がどうこうとか、シェイクのやり方がどうこうとかとは少し違う話で、レシピの構成の話です。

誰々さんがつくるギムレットはホント美味しいよね、ではなくて、もっと大きな囲いでの意味で、「ギムレット(ってカクテルは)ってホント美味しいカクテルだよね。」ってことです。

さすがに色々と飲んできてますので、大概のカクテルの美味しさのポイントはわかってるつもりです。何でも飲みぃなんで、イエローパロット(例えばね)なんかも素直に美味しい~!と思うわけです。

ところが、実はいまだにそのポイントが分からないカクテルがいくつかありましてですね。

その一つが「Vesper / ヴェスパー」。そう007 ボンドマティーニです。



一般的なレシピは、ゴードン、スミノフ、リレ・ブラン(現在入手不可能なキナ・リレの代替品として)、それにレモンピール。この四つの材料から構成されています。そして、技法はシェイク。

どんなに割合を調整しても、「ヴェスパーって美味しい~!」ってならないんですよ。

もちろんステアでなくシェイク。ここは外せないですし、ゴードン、スミノフ、レモンピールも外せない。となると怪しいのはリレ・ブラン。

おそらく現在世界中の9割以上のバーテンダーがヴェスパーにリレ・ブランを使っているのではないでしょうか。

「リレ・ブラン / Lillet Blanc」
1887年ボルドーで生まれた「リレ・ブラン」は、フランスの3ツ星レストランを含め、世界中で楽しまれているボルドー白ワイン(セミヨン種)をベースにフルーツリキュールをブレンドしたほんのり甘口のアペリティフワイン。


「キナ・リレ / Kina Lillet」
ボルドー・ワインをベースに、キナ(劇薬に相当する苦味成分英語表記でKINAキナ、フランス表記でquinquinaカンキナ)を加えて造られたアペリティフ・ワイン。いわゆるリレ・ブランの前身。日本には正式輸入されること無く、幻のまま1985年に生産が打ち切り。


でも、そもそもキナ・リレが今日入手不可能なので代替品としてリレ・ブランっておかしな話ですよね。だって肝のキナが入ってないんだもん。キナ・リキュールってどちらかというと苦ッ!系の味のはずだけど、リレ・ブランは甘くフルーティ。

ここで、最近(遅いか、、、)発見したナイスなヴェルモット、

「マンチーノ・ビアンコ・アンブラート / Mancino Bianco Ambrato」。

これね、キナが入ってるんですよ。リレ・ブランよりはキナ・リレに近い味わいを持つ一品といっても過言ではないでしょう。(つか、キナ・リレ飲んだことないですけど。)リレ・ブランのフルーティーさはそのままに(もっとフルーティーかも)、キナの風味がいい感じで効いてる感じ。

早速、これでヴェスパーを作ってみましたよ。



これね、ステアだとマズイです。シェイクでしっかりとマンチーノの甘みとキナをジンとウォッカに混ぜ込むことが重要です。

ちなみに糖度は、

リレ・ブラン - 16.3°Bx

マンチーノ・ビアンコ - 25.4°Bx

つまり甘さの腰も強いわけです。(だからステアじゃなくてシェイクね。)

(おそらく、キナ・リレはもっともっとキナの風味が強かったのではないか、と予想されます。そうなると、海外のユルユルの氷でシェイクしても、そこそこちょうどいい感じの仕上がりになっていたのではないでしょうか?)

そして、すこーし甘重たい風味を大き目のレモンピールで爽やかに風味付け。

完成!これでストーリがつながりました。

美味しい!

ん~カクテルは本当に奥が深い、、、。そして、改めてヴェスパー、是非お試しください。
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"Drunken Pooh Martini"

3.0 cl - Gummy Bear (HRIBO GOLDBAREN) Infused Vodka (Smirnoff Black)
1.5 cl - Apple Liqueur (Massenez Liqueur de Pomme Verte)
1.5 cl - Honey (Leatherwood Honey) Syrup
1.0 cl - Fresh Lemon Juice
1 tsp - Lavender Syrup (Monin Lavande Syrup)

*Cinnamon Powder & Gummy Bear.



カラフル!しばらく漬けておくと成長して一回り大きくなります。




アーティフィシャル感ばっちりの一杯。
バーテンダー100人に聞きました(聞いてないけど)。

「シンガポールスリングのベースのジンはなんですか?」

「ビーフィーター。」

おそらく90人以上のバーテンダーがこう答えるでしょう。

なんでって、シンガポールスリングが誕生したバー、ラッフルズホテルのロングバーのレシピにそうあるからなわけです。

「使うジンはビーフィーターね。」って。

ところが最近は、なんとゴードンをつかっているんですねー、ロングバーでは。NBAオフィシャルや福西先生のレシピをフォローしている日本人バーテンダーにとっては、けっこう衝撃の事実だと思うんですけど、どうでしょう?

サヴォイ・カクテルブックに出ているグローバルスタンダードのほうのレシピならまだしも、本家のラッフルズスリングはビーフィーター以外許されない!

実は、現在うちのバーには、元ラッフルズホテルのバーテンダー、ローガン君がいるんです。ラッフルズホテルはシンガポールスリングのレシピを時代とともに少しづつ変えている、という話を以前から聞いていたので、彼に聞いてみたんですよ。

Ruffles Hotel Singapore Sling、現行レシピ;
30ml Gin ( Gordon's)
15ml Cointreau
15ml Peter Heering
7.5ml Benedictin DOM
10ml Lime Juice (Sunfresh Lime Juice 50%, Water 50%)
120ml Pineapple Juice (Sunfresh)
A dash Angostura Bitters



注目すべきは、もちろんジンがゴードンというところ。それに加えライムジュース。サワーミックス的なライムジュースだと思うんですけど、そのままだと酸っぱすぎるというので、水と半々に割ったものを使っています。そして、甘過ぎるというクレームが多いらしく、グレナデンシロップは入っていません。



観光客が撮ったであろうデモンストレーションの動画。ローガンだし。確かにゴードン使ってますね。グレナデンシロップも入れてません。



もちろん通常はこのように一杯づつは作りません。なにせ一日に千杯出るというカクテル。こんなんしてたら間に合わないわけです。どのように作るかというと、、、

カウンターの下に二つのタンクがあります。生ビールの樽を想像していただくとわかりやすいと思います。

ひとつにはジュース類、もうひとつにはアルコール類が入っています。ジュースタンクには、サンライズ社のサワーミックス(ライムジュース)を水で半分に薄めたもの、同じくサンライズ社のパインナップルジュース。アルコールタンクには、それ以外のアルコール材料全て。それぞれがレシピ通りの分量でタンク内に収まっています。

この樽はラッフルズホテル用に業者が作っており、ホテル側は業者にこのプレミックス樽を毎日発注する形になります。

そして、この二つのタンクから出ているホースはカウンター真下でひとつになり、ガスの力でサーバーから適度な割合で調合され出てきます。つまり、生ビールよろしくコックをひねればそこからシンガポールスリングが出てくるわけです。

それからボストンシェーカーのメタルカップにシンガポールスリングをなみなみ注ぎます。それを氷の入ったスリンググラスへ注ぎ分けます。ここがポイント!全部をグラスへは注がず、少しカップの中にシンガポールスリングを残します。さらに、この際グラスへは七分目までしか注ぎません。

材料の残ったメタルカップをスピンドルミキサーにかけます。パインジュースが入っているのでこんもり泡立ちます。これを先ほどの七分目まで注いだスリンググラスへオントップ。デコレーション(パイン、チェリー)を飾って完成。

一杯$26。税金、サービス料込みで約$30。日本円で約2,200円。一日千杯で約220万円の売り上げ。シンガポールスリングだけでですよ。月に6600万円!F-1などの月には、一億円以上売り上げるらしいです。

おそるべしシンガポールスリング!

話を戻しますと、なぜ現行レシピはビーフィーターでなく、ゴードンか?というとこでですが、ただ単にコストの問題と思われます。さすがにこれだけ出れるカクテルですから、ちりも積もればじゃないですけど、かなりコストに影響ありますもんね。

ただ、そのカクテルの後ろにあるドラマを重んじる日本人バーテンダーとしては、少し複雑な気持ちになるわけです、、、。
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