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バーで、ウィスキーのロックを頼むと、大きな丸い氷を一つコロン、と入れて出してくれることが多い。丸氷である。

この丸氷、いつどこで始まったのかは定かではないが、洋酒評論家の福西英三先生によると、はじめて見たのは東京・青山のとあるバーだそうだ。丸氷出現以後、オーダーの仕方は「オン・ザ・ロックス」から「オン・ザ・ロック」に変わった。

こんな手の込んだ仕事をするのは日本人バーテンダーだけで、海外のバーではまずお目にかかれない。奇妙な形に形成されたユルい製氷機の氷がドバっと入ってる「オン・ザ・ロックス」ならぬ「オン・ザ・ペベルズ(小石)」になって出てくることが多い。

丸氷の作り方は、氷屋さんから買った板氷を、まずは立方体に割る。そこから、アイスピックなりペティナイフなりで角を落とし、丸くしてゆく。アイスピックで削った後を敢えて残す(削りましたぜ!という感じを表現する)派と、最後は水にさらすなどして、完全にツルツルの球体に仕上げる派。どちらを選ぶかはお好みで。10年程前、横浜・中華街のバーでダイヤモンド型にカットされた氷を見たときは感動した。銀座の某バーではこれを「ブリリアン・カット」と命名したようだ。

「Making of Iceball」←バーテンダー仲間のナオタンのお店、横浜・青葉台「Soul Cocktail's」のH.P。Special Menuをクリックして下へいくと写真つき解説があります。

なぜ氷を丸くするのか?「球体は表面積が小さいので、氷が解けにくいのです。」、大概のバーテンダーはこう答えるであろう。ここで疑問。解けにくいことはいいことなのか(「オン・ザ・ロックス」という飲み方に関して)?

「氷が少し解けて、少し薄まった頃合がオイシイ。」

「オン・ザ・ロックス」を楽しむ人の多くはこう言う。そこで、せっかちな先輩バーテンダー達は、少し薄まった状態をはじめからつくり上げてしまうウィスキーのチョイ水というオーダーをしていた。「シーバス・ロック。チョイ水で。」といった具合。

某メーカーがウィスキーはお水と一対一の「ハーフ・ロック」で、なんて提唱しているが、あれはメーカーさんが勝手に命名した飲み方であって、海外のバーで「飲み方は、ハーフ・ロックで。」なんて言っても通じませんので、いらぬ恥をかかぬように・・・。もちろん日本のバーテンダーは、何も言わず「かしこまりました。」と言ってつくってくれるが、「飲み方は、トゥワイス・アップで。」のほうがまだスマートか。(「チョイ水」も業界人っぽくて、なんだかね。)

話を「なぜ?」に戻すと、「少し薄まったころがオイシイ。」というのであれば、表面積が小さく解けにくい丸氷はよくないということ。もちろん冷たさも必要。氷は液体の熱を奪って液体を冷やすわけで、表面積が小さかったらダメじゃん、と。

結論から言うと「ビジュアル面を除けば、丸氷なんてたいした意味はない。」である。

そんなこんなで、なんだかあの丸い形に飽き飽きしていたのもあって、4,5年前一時丸氷を使うのを止めていた。形のいいクラックド・アイスが2,3個ゴロっと入っているほうが、見た目にも素敵だからだ(あくまで自分の主観)。

ところが、今度は横浜の某バーで、角を全く削らない立方体スタイルの氷と出合った。ドンと真四角に削られた大きな氷が1個。真上から見ると、「この円に内接する正方形の一辺の長さを・・・」なんて、まるで中学のお受験問題をほうふつさせるビジュアル。

「コレだ!」

クラックド・アイスが2,3個もいいが、お客さんからすると普通である。バーに来るお客さんの多くは、丸氷を期待しているものだ。しかし、実は丸という形に期待しているのではなく、家庭ではつくれない大きな氷に期待しているのではなかろうか?

だとすれば、どうせ解けるものだし表面積云々なんてくだらないことは抜きに、見た目勝負の立方体。

でもこのキレイな立方体氷、丸氷つくるより難しい。だから日本で立方体氷を出すところがあったら、そこはイイ仕事してますな。

ここシンガポールは、といいますと。氷屋さんがない(あるにはあるが、その氷は飲料には使えない)!ので、お店でもやむを得ず製氷機の氷を使っている。さすがに硬さ、透明度は氷屋さんのそれにはかなわないが、大きさ、形はグラスにピッタリ。
DSC01545.jpg

結構気に入っている。
Comment
≪この記事へのコメント≫
先日、どこかでバーボン頼んだ時も四角い氷でした。
あれって難しいんですかぁ??丸氷だと美味しいのかと、勝手な思い込みしてました(・_・、)
2007/02/05(月) 08:37:48 | URL | セイラ #lO3nIXUQ[ 編集]
立方体賛成です。
個人的にはグラスに口をつけた時にたまにとがった部分が上唇と鼻の間にささる感じが心地よかったりします。

あー朝っぱらからこんなの見たら飲みたくなってしまったじゃないですか!
2007/02/05(月) 11:20:22 | URL | RIMOWA #-[ 編集]
セイラさん>もちろん美味しい、美味しいくない(というか美味しく感じる、美味しく感じない)は、各個人の感性の問題ですので。

RIMOWAさん>ありがとうございます。お待ちしております。
2007/02/05(月) 17:27:01 | URL | ChiiChii #-[ 編集]
丸氷はお洒落で、しかも美味しいもんだって勘違いしていたよ・・・
でもカタチ違うロックアイスが2~3個入ってるのは大人な感じで格好いいよな
融けてグラスに角があたって音がする
なんか粋だね
正方形はどっかで遭遇したことあるな~
どこだったか???
あれは新鮮は驚きがあったね
2007/02/06(火) 09:22:29 | URL | しもりーぬ #-[ 編集]
しもりーぬ>2~3個ってヤツもいいよね。TVのCMみたいで。
2007/02/06(火) 12:02:15 | URL | ChiiChii #-[ 編集]
10年以上前に
京都洛北のお店でロングカクテルを頼んだら、ペティナイフで直方体に削りだした氷を2つ、10オンスタンブラーにいれて出してくれたところがありました。
あれは感動しましたねぇ……。
もちろん、バーボンのロックを頼んだら立方体の氷で出てきました。
年始に、ほんとにヒサシブリに行ったら、そのバーテンダーさんは既にいなくなってまして……。
また呑みたいなぁ(^^)
2007/02/07(水) 23:44:19 | URL | ぐらんぱ #-[ 編集]
ぐらんばさん>さすが京都、美意識が高い!お店自体は営業されてたんですね。氷の流儀は受け継がれていたのでしょうか?
2007/02/08(木) 03:56:46 | URL | ChiiChii #-[ 編集]
それが……
残念ながらママさんしかいなくて、流儀は途絶えてしまっていました。
どうも、市内のバーに移籍してしまったようなんですけどね。
シェーブドアイスも、ペティナイフで削って作ってらっしゃいましたから。
あの氷の扱いには感動したので、またお会いしたいバーテンダーさんの一人です。

P.S.
今度、Soul Cocktail 行ってみます。
青葉台在住なので……(笑)
2007/02/09(金) 00:46:36 | URL | ぐらんぱ #-[ 編集]
ぐらんばさん>残念です。自分も是非飲みに行きたいですねー。

Soul Cocktail、是非行ってみてください。なかなか良いバーです。
2007/02/09(金) 14:42:54 | URL | ChiiChii #-[ 編集]
これは・・・
はじめまして。

普段、何気なく飲んでいる一杯に、美味しいお酒を提供するバーテンダーとしての美学と、お客様をちょっと、驚かせようといういたずら心、ホスピタリティが、ここまで詰まっているなんて考えもしませんでした。

日々の一杯に感謝です。
2007/02/17(土) 08:58:09 | URL | 社内ニート #-[ 編集]
社内ニートさん>どうも。喜んでもらえるために、何かをする。楽しいことです。

自分もまた、日々の一杯に感謝です。
2007/02/17(土) 13:50:41 | URL | ChiiChii #-[ 編集]
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